日本医学会連合TEAM事業・日本肥満学会・
日本肥満症治療学会 合同企画シンポジウム
【第1部】肥満症に伴う各々の健康障害の発症・進展
とBMIの関係と減量による改善効果
発表者
ご氏名 | 越坂 理也 先生 | ||||||||||||||
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参画学会 | 一般社団法人 日本内科学会 | ||||||||||||||
ご所属 | 千葉大学予防医学センター内分泌代謝・血液・老年内科学 | ||||||||||||||
ご講演タイトル | 基調講演:肥満症に対する効果的な治療戦略と健康障害の改善に資する減量数値目標を見出すための介入研究『SLIM-TARGET研究』 | ||||||||||||||
略歴 |
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資格 | 日本糖尿病学会専門医、糖尿病研修指導医、総合内科専門医 | ||||||||||||||
受賞 | 第34回日本糖尿病合併症学会 Young Investigator Award(YIA) |
ご発表内容の要約
肥満症への取り組みとして、日本肥満学会および全国27の肥満学会認定肥満症専門病院によるSLIM-TARGET研究チームが行った「肥満症に対する効果的な治療戦略と健康障害の改善に資する減量数値目標を見出すための介入研究 SLIM-TARGET研究」の紹介を行った.
背景と目的
肥満は2型糖尿病をはじめ様々な健康障害をもたらす. しかし継続的な減量や治療意欲の維持は容易ではなく, どの程度の減量が各々の健康障害の改善に有効であるかも明らかでない. そこで肥満症患者の減量治療を通じて耐糖能障害をはじめとした健康障害を改善させるための具体的な数値目標を見出すことを目的とした.
方法
対象患者は定量可能な健康障害(耐糖能障害, 高血圧症, 脂質異常症, 高尿酸血症, 脂肪肝, 肥満関連腎臓病)を2つ以上有する18~74歳の肥満症患者かつIoT活用のためスマートフォン所持を登録の1条件とした. 12ヵ月で3%以上(高度肥満症では5%以上)の減量を目指す標準治療群と7%以上(高度肥満症では10%以上)の減量を目指す強化治療群を比較する多施設共同並行群間ランダム化比較研究である. 全国27の肥満学会認定肥満症専門病院が参加した.
食事運動療法は肥満症診療ガイドライン2016に準じ, 強化治療群では頻回の栄養指導を実施, 食事運動療法の強化や薬物療法などを追加した. 被験者にはIoT通信対応の体重体組成計, 活動量計, 血圧計を貸与し, 標準治療群と強化治療群それぞれ半数ずつにこれらの機器とスマートフォンを連携する健康管理アプリを導入した. 主要評価項目は介入12ヶ月において体重が減少し, かつ定量可能な健康障害が2つ以上改善した症例の割合で, 24ヵ月までフォローアップを継続した. 副次評価項目として12ヵ月, 24ヵ月における健康障害が改善した症例の割合, 内臓脂肪面積や代謝パラメータ, 体重・血圧の変化率, 減薬率や治療意欲, 健康管理アプリの使用状況等を検証した.
結果, 考察に関しては, 学会で報告を行ったが, 現在論文投稿中であるため, 本稿での掲載は差し控えたく, Publishされた論文をご参照頂きたい. また今後, 具体的な数値目標の検討を行う.
本研究にご参加された研究者の先生方、参加者の皆様、ご協力頂いた方々に、改めまして、厚く御礼申し上げます。
以上