沿 革
本学会は1977年に開始された文部省(現.文部科学省)の総合研究班会議を拡大し、肥満に関する問題の究明及び解決のための研究発表、情報交換、啓発を目的として、1980年、肥満研究会として発足し、第1回学術集会を開催しました。1984年に国際肥満学会議の日本での開催の要望を受け、日本肥満学会として発展し、1990年、第6回国際肥満学会議(6th International Congress on Obesity)を神戸で開催し、成功裡に終了させました。その後、本会は順調に発展し、会員数も2,800名を超え、2012年5月には任意団体から一般社団法人に移行しました。
第1回の学術集会より「研究会記録集」を刊行してきましたが、1995年より学術誌「肥満研究」の刊行に移行し、現在は年3回同誌を刊行し、学術交流の場を広げています。
会員は医学研究者、一般医師、看護師・保健師・管理栄養士・臨床検査技師・薬剤師・理学療法士・健康運動指導士などのメディカルスタッフ関係者、農学・理学・薬学研究者などで構成されています。
本会は発足当時より、食欲の調節、脂肪合成分解における自律神経の関与、肥満の成因と病態等の研究で国際的に指導的な役割を果してきましたが、現在も肥満の分子生物学的研究、およびそれらの臨床的応用において、先端的研究を行っています。
本会は肥満の健康障害に対する国際的な学問的関心の高まりのなか、単なる「肥満」と「肥満症」の概念を明確に定義し、2006年には「肥満症治療ガイドライン2006」を、2011年には「肥満症診断基準2011」を発表しました。本会の最近の活動は、肥満症に対する基礎的及び臨床的研究の一層の充実を図るとともに、肥満・肥満症に対する正しい理解を一般医師、メディカルスタッフ関係者、一般市民に普及するため、広報・啓発活動にも力を入れています。
また、本会では、肥満症およびその関連する疾患の診療、予防、管理をチーム医療で実施することを目的に、2012年より肥満症専門医、および生活習慣病改善指導士の認定制度を開始しました。